アルベル
「ふぅ・・・。」

「チッ!
マトモな人間は、誰も居やしやがらねぇか。」

フェイト
「どうだい?
町への道は見つかったのかい?」

アルベル
「いいや。
町や村どころか、話を聞けそうな人間は
一人も居やしねえ。」

フェイト
「仕方ないな。
このまま見つからなかったら、
今日は野宿するしかないか。」

アルベル
「冗談じゃない。俺はゴメンだ。
また、前みたいに蹴飛ばされて
夜中に叩き起こされてたまるかよ。」

フェイト
「そう言うアルベルだって、
いつもいつも夜中にうなされてて
五月蠅いだろ。」

「他人の事に文句をつけるより、
まず自分の事をどうにかしろよな。」

「どんな夢みてるんだか知らないけどさ、
真夜中にウンウン唸って騒がしいんだよ。」

「だいたい、今ココで迷ってるのだって、
元はと言えば、アルベルの
せいじゃないか。」

「アルベルが前の町で、
領主と余計な騒ぎさえ起こさなければ
キチンと次の町までの道を描いた地図を
買ってこれたハズだろう?」

アルベル
「五月蠅い!
余計なお世話だ。」

「言いたいコトはそれだけか?
死にたくなければ、それ以上
口を開くのを止めるんだな。」

剣を抜くアルベル

フェイト
「全部で6人・・・。
で、よかったのかな?」

アルベル
「いや、5人だ。」

フェイト
「ちゃんと過去形にしてただろ?」

「それより、いくら悪い領主に
雇われてるヤツラだからって
あんまりやり過ぎるなよ。」

アルベル
「別に殺しちゃいないさ。」

「強い奴にへつらって、自分が強くなった
気になってるようなバカ共にゃぁ、
あれぐらい良い薬だ。」

フェイト
「やれやれ。
僕と戦う3人以外は、可哀想にな・・・。」

チンピラ
「ひ〜っ!
た、助けて〜っ!!」

フェイト
「まったく・・・。
手加減してやれって、
言っただろ?」

アルベル
「アレぐらいは必要だ。
ああいった輩は、一週間は寝かしとかなきゃ
反省なんかしやしねぇよ。」

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