フェイト
「やれやれ・・・。
またバカなことやってるよ。」

レザード
「バカな事?
ふふ、確かにその通り。」

「負けると分かりきってる
戦いに挑むほど
愚かな事はありませんからねぇ。」

「何せこの勝負を始める前に、
あの熱血小僧には飲めるだけの水を
飲ませておきました。」

「下準備も何もしてないあのタヌキに
勝ち目などあるハズがないのですよ。」

「ふふ、卑怯だとお思いですか?
だが、勝負とは戦いを挑む前から
始まっているものなのですよ。」

「これもまた、戦略・・・。」

フェイト
「それはどうかな?
あいつの根性を計算するのは
難しいぜ。」

「全てがキミの思い通りに
なればいいんだけどね。」

レザード
「何をバカな・・・。
この灼熱のモーゼル砂丘では、
水無しならば持って100秒。」

「根性などという不確定なもので
どうにかなるレベルのものでは
ありませんよ。」

フェイト
「まぁ、見てたら分かるよ。」

5分後・・・。

ロジャー
「どうしたよ?
元気がなくなってきたんじゃないか?
降参するなら今のウチだぞ。」

ルシオ
「うるせえな。
体力を消耗しないための
作戦だよ、作戦。」

「オマエみたいな、
行き当たりバッタリの
バカと一緒にするな。」

ロジャー
「へ〜ぇ・・・。
そういうモンですか。」

「まぁ、好きにしろよ。
根性が無い人は大変ですなぁ。」

10分後・・・。

ドライブ
「ガンバルでヤンスよ、
ロジャーの兄貴!」

「もう少し・・・。
ルシオのヤツは、もうヘロヘロで
ヤンスからねぇ。」

ロジャー
「おう!任せとけぇ・・・。」

ベリオン
「ルシオちゃん、
もう止めようよぉ・・・。」

「これ以上やったら、
死んじゃうよぉ。」

ルシオ
「うるせぇ、ベリオン!
黙ってろ!」

「テメェ、このオレに
ハジかかせる気かよ・・・。」

ベリオン
「あぅ・・・。」

15分後・・・。

ルシオ
「どうだ、まいった・・・ か?」

ロジャー
「何言ってんだ、バカちんが・・・。
そっちこそ、もう降参したいんじゃ
ないのかよ?」

レザード
「くぅっ・・・。
中々しぶといですねェ。」

ベリオン
「本当に、もう止めようよ。
これ以上やったら、死んじゃうってばぁ・・・。」

ロジャー
「うわっ、冷てっ!」

ドライブ
「雨だ!雨が降ってきたでヤンスよ。」

ルシオ
「ちっ・・・。
命拾いしやがったな。
悪運の強いヤツだぜ・・・。」

ロジャー
「その言葉は、そっくりそのまま
返してやるっての・・・。」

フェイト
「さてと・・・。
じゃあ、今回は引き分けかな?」

「雨も降ってきたことだし、
みんな、そろそろ帰ると
しようか。」

メルト
「ふむ・・・。これもまた天命。
光星の光を受けて、ロジャー殿も
真の男にまた一歩近づかれたようでゴザルな。」

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