父さん・・・母さん・・・セシル・・・
今度こそ、そっちに行けそうだ・・・。

 

 

レナか・・・。

見てたのか?

う、うん。
悪いとは思ったんだけど・・・。

ねえ、ディアス。
あなたの家族の事は、
不幸な事故だったのよ。
だから、そんなに
自分を責めないで。

違うな・・・俺の家族が山賊に
殺されたのは、俺達が弱かったからだ。
力があれば、
踏みにじられる事もなかった・・・。

ディアス!

しょせん世の中は力が全てだ。
だからこそ、俺は戦い続けてきた。
何者にも負けない、
力を手に入れるためにな。

嘘っ!あなたは、
ただ逃げているだけよ。
戦いの中に身を置くことで、
人間らしい心を殺すことで・・・、
必死に過去を忘れようとしているだけ・・・。

この俺が、
逃げている・・・だと?

そうよ!あなたは現実を
認めるだけの勇気がない、
ただの臆病者にすぎないわ。

それじゃあダメなのよ。
逃げ回るだけじゃ・・・。
立ち向かおうとしない限り、
必ず過去に追いつかれてしまうわ。

だから・・・どんなに辛くても、
現実から目を反らさないで!
逃げ出さないでよ!

ディアス!

海はいいな。時に優しく、時には
荒々しく・・・あらゆる物を
包み込むだけの広さを持っている。

レナ・・・
お前によく似ている・・・。

ディアス・・・。

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